2009年9月16日水曜日

ファンケル、健康院――サプリ、個人に合わせ提供(戦略拠点あすを拓く)

2009/09/16, , 日経MJ(流通新聞)

 ファンケルは東京・銀座に健康診断をもとに生活改善を指導する「ファンケル健康院」を開業した。自社の栄養補助食品(サプリメント)を健康状態に合わせて提供するのが売り物で、健康食品事業との相乗効果を見込む。料金設定が高く、富裕者層をどれだけ呼び込めるかが成否を分ける。
 健康院の取り組みはユニークだ。利用者にまず血液や遺伝子検査などを実施。詳細な健康状態を把握したうえで、薬剤師や管理栄養師の資格を持つカウンセラーが足りない栄養素を指摘。個人にあったサプリメントを提供し、将来の病気を防ぐための生活指導も徹底する。吉田英希事業推進室長は「1人1人にあった健康に関するサービスを提供できる」と自信をみせる。
 血液検査といっても病院のように注射器で何本も血を抜く訳ではない。専用の器具で指の先に少しだけ血を出して回収する。遺伝子検査も口の粘膜に綿棒をあてるだけで済むなど検査方法は簡単。それでいて得られるデータは詳細だ。
 例えば遺伝子検査から肥満になりやすいとか血が詰まりやすいといった情報も得られる。最大62の遺伝子を分析して、将来の病気のリスクを把握する。こうして得られた情報を基にダイエットや疲労回復等の基本プログラムや生活習慣病の改善を目指すコースなどを選んでもらう。
 プログラムの目玉として、自社で市販するサプリメントを個人に合わせて提供する仕組みを導入した。2009年3月期のファンケルの栄養補助食品事業の売上高は約291億円で化粧品事業と並ぶ柱。特徴は約110種類のサプリメントをそろえ、消費者の悩みにきめ細かく応えられる点で、ここまで品ぞろえが豊富なメーカーは数少ない。その利点を最大限に生かすことを目指した。
 現在は得られた情報を基にカウンセラーが110種類から朝昼晩に分けてそれぞれ数種類ずつ適切なサプリメントを選んでいるが、来年2月からは完全に利用者だけのサプリメントを作る提供する方針だ。数種類のサプリメントを一度に飲みにくいため、必要なサプリメントを混ぜたりして1粒か2粒程度に量を抑えて飲みやすくする。吉田氏は「ファンケルが培ったノウハウをフルに生かす」と意気込む。
 ファンケルが栄養補助食品事業を始めたのが1994年。健康院の構想は当時社長だった創業者の池森賢二氏の頭の中に早くからあったという。サプリメントをいかに広めるか。「only you サプリメント」。その答えが完全オーダーメードのサプリメントだった。
 理想を追求した分、入会金5万円、基本プログラムが39万8000円と高額になった。「3年後に黒字転換できるように腰をすえて取り組む」(成松義文社長)が、消費不振の逆風が吹く。ファンケルの本気がどこまで消費者に届くかに注目が集まる。
〈ファンケル健康院〉
▽開  設 2009年8月8日
▽所在地 東京都中央区銀座2-5-11
▽敷地面積 300平方メートル
▽ポイント 
 (1)血液や遺伝子検査で健康状態を詳細に分析
 (2)カウンセラーが生活習慣の改善を指導 
 (3)サプリメントを健康状態に合わせて提供