2006年6月8日木曜日

イマージュ――カタログ頭打ち、活路探る(分析四国の上場企業)

2006/06/08, , 日本経済新聞
 ネット・単品通販に光明  イマージュがカタログ通販に依存する収益構造の転換を急いでいる。衣料品の通販市場が頭打ちとなるなか、販売手法と取扱商品の両面で見直しに着手。販売サイトの強化でインターネット通販に急速に移行する顧客をつなぎ留めつつ、化粧品事業を稼ぎ頭に育てている。だがカタログとの相乗効果を狙った店舗事業が苦戦し、二〇〇六年二月期は大幅赤字を計上。構造転換は道半ばだ。
 「店舗事業は中長期の成長に不可欠だが、高い授業料を払ってしまった」。南保正義社長が悔しがるのは、〇四年末に実施した衣料品店運営会社、トランスコンチネンツ(東京・渋谷)の買収。約二億五千万円を投じたが、販売不振から前期は約七億五千万円の経常赤字となり、単体で計上した三億六千六百万円の経常利益が吹き飛んだ。
 イマージュにとって店舗事業はトランス社が初めてではない。〇一年、本体で女性用下着店「イマージュショップ」の展開を開始。首都圏や関西を中心に一時は十六店に広げた。社内の人材で対応したが「カタログと店舗ではノウハウが全く違う」(南保社長)ことから収益は低迷。こちらも前期は赤字だった。
 トランス社の買収ではイマージュショップの反省を生かし、経営陣をそのまま残すことで運営ノウハウを吸収しようとした。だが事業再建が進まない上に、ファッションへの感度が高い若者向けに高価格商品をそろえるトランス社と、低価格の実用衣料品をそろえるカタログとの相乗効果は見込みづらく、現在は同社の売却も視野に対応策を検討している。
 店舗事業と並んで、衣料品販売のてこ入れ策として力を入れるのがネット事業。こちらは成果を上げている。販売サイトの掲載商品を増やしたり、商品画像を回転できるなどの技術を取り入れて需要を喚起。既に主力カタログ「イマージュ」の売り上げの五割弱がネット経由となり、今期はネット事業子会社が黒字転換する見通し。
 だがネット事業はカタログ離れが進む顧客の流出を防ぐ側面が大きく、現状では全体の売上高拡大につながりにくい。「ネットを含めても実用衣料品の通販市場は縮小している可能性がある」(南保社長)からだ。しかもカタログのみで商売ができた過去に比べ、経費負担は当然増える。
 事業環境は厳しいが、業績回復の突破口も見えてきた。勇心酒造(香川県綾川町)が開発し、肌の水分保持機能を改善する米発酵エキスを配合した化粧品「ライスフォース」の販売だ。テレビ通販などでの売り込みが奏功し、前期の売上高は三十三億六千万円と一年で三倍に拡大した。
 カタログ「イマージュ」の収益と比べると、今期は部門売上高は半分以下だが、営業利益では九億円と上回る。品ぞろえを競う従来の総合通販とは一線を画し、単品で勝負する試みが当たった。“単品通販”の第二弾として、ポリフェノールを含むオリーブを使った商品開発にも乗り出す。
 六月七日時点で、イマージュの企業価値を示す時価総額は約七十億円。株価純資産倍率(PBR)は約〇・七倍と一倍を割り込み、株式市場での評価は企業の解散価値以下の計算だ。
 株価上昇には、構造不況業種と見られがちなカタログ通販のイメージを薄め、一流通企業として業績回復のシナリオをいかに実現できるかにかかっている。