2009年9月30日水曜日
スクロール360の物流センター、磐田に完成…EC出荷代行専用
前回発表した次世代型ECシステム「Xspeecs(クロススピークス)」の提供に続き、第2弾として、同社が活用するEC出荷代行専用の物流センター「スクロール ロジスティクス センター磐田」(延べ床面積8000坪)が静岡県磐田市に完成した。EC出荷代行専用物流センターとは、EC(電子商取引)事業を行う通販事業者の商品出荷業務の代行サービスを専門にする物流センターのこと。
「スクロール ロジスティクス センター磐田」では、これまで本業の通販で培ったノウハウを基にした物流技術や設備、精度の高い在庫管理システムなどを備え、迅速・丁寧・正確な保管・出荷が可能となる。
同社は、営業上のインフラを最大限活用し、3年後の出荷金額1000億円を目指し、業容拡大と内部の管理体制を図っていく。
千趣会(ベルメゾン)、ペットファースト渋谷店――流行に敏感な若者開拓(戦略拠点あすを拓く)
通販大手の千趣会は6月、ペット用品店「ペットファースト」の新店舗を東京・渋谷に開業した。これで全国10店舗体制となった。これまで郊外や地方店舗が多かったが、富裕層や流行に敏感な若者が集まる渋谷への進出を果たした。主力の衣料品や家具が消費不況の影響を受けているが、少子高齢化の現在、成長分野のペット用品事業を拡大する。
渋谷の中心街の奥にある東急ハンズ渋谷店の6階。色とりどりの衣類やドッグフード、マッサージ器具が並ぶ店内は、週末ともなると夫婦連れから若いカップルまで大勢の客でにぎわう。「高級住宅地を近くに抱え、ファッションに関心の高い若者も多い渋谷には念願の出店になる」。千趣会の事業子会社ペットファースト(川崎市)の山本信一郎常務は話す。
渋谷店の榊原久浩店長は「品質へのこだわりは渋谷店の顧客が全国一」と説明する。渋谷店の客が1回の来店で使う金額は2500円ほどで他店に比べて1~2割高いという。
千趣会は2007年にペット用品店運営のエムケースエマツから事業を買収。「カタログ通販大手として女性顧客を多く抱えており、女性が好む新分野を開拓しようとした」(山本常務)
ペットファーストの売上高は現在、実店舗とネット通販を合わせて年間15億円。一方でペット関連市場は生き物から用品、サービスなどを含めると1兆円規模になるという。少子高齢化が進む中、子育てを終えた夫婦や癒やしを求める若者から人気を集めていることもあり、事業の一段の成長を見込む。
とりわけ渋谷への出店をきっかけに新規顧客をつかみたい考えだ。ファッション性の高い商品をそろえることで、50~60代の常連に加えてより若い世代の顧客も取り込む。外出時にペットを運ぶキャリーバッグはピンクや水玉模様の商品を前面に並べている。犬の鳴き声を人間の言葉に翻訳するタカラトミーの「バウリンガルボイス」など話題の商品もそろえる。
渋谷店のもうひとつの特徴は猫の飼育に使う商品の品ぞろえを充実させていること。特に首輪は100種類をそろえ、花柄や水玉、リボンやフリルを付けたものをそろえている。水鳥の羽根でできた猫じゃらしのほか、猫好きの人のために猫のぬいぐるみやマグカップも置く。猫関連用品は店舗入り口の見えやすい棚に陳列している。「これまでの店舗からの変化を示して新しい顧客層をつかみたい」(榊原店長)と説明する。
これらの施策が当たり、渋谷店は開店から予想を上回るペースで売り上げを伸ばしている。都心店舗のモデルケースとして出足は快調だ。山本常務は「店舗の顧客を通販サイトに誘導するほか、家具と合わせたライフスタイルの提案もしたい」と次なる一手に意欲を見せている。
ペットファースト渋谷店の概要
▽開 業 2009年6月25日
▽所 在 地 東京都渋谷区宇田川12―18
東急ハンズ渋谷店6階Cフロア
▽売り場面積 66平方メートル
▽ポイント
(1)富裕層と若者が集まる東京・渋谷への出店で顧客層を拡大。
(2)リボン付きの首輪やピンクのキャリーバッグなどファッション性の高い商品を用意。
(3)猫の飼育に使う商品の品ぞろえを強化。首輪だけで100種類に及ぶ。
2009年9月29日火曜日
ムトウ、通販業者用に在庫処分機能付きアウトレットサイト開設
ムトウの子会社ムトウマーケティングサポート(新社名:スクロール360、10月1日変更)は、通販業者の悩み解決サービスとして、在庫処分機能を有するアウトレットサイト「Happy Basket(ハッピーバスケット)」の運営を開始する。
ハッピーバスケットは、出荷代行を行う物流会社が在庫処分までサポートする、他社にはないビジネスモデルで、手間をかけずに効率的な在庫処分が可能となる。
ハッピーバスケットの運用はアフィリエイト(成果報酬型広告)を取り入れ、クライアントは通常のアフィリエイト運営と同様、アフィリエイトサービスプロバイダに契約し、商品情報をアップロードすれば、サイトへの商品登録、集客・販売促進はすべてスクロール360が対応する。
同社では、倉庫スペースの有効活用が図られため、共に効率経営が実現できる営業メニューとなる。
先に発表した次世代型ECシステム「Xspeecs(クロススピークス)」の提供とEC出荷代行専用物流センター「スクロールロジスティクスセンター磐田」の完成に続く、第3の営業メニューとなり、プロモーション、システム、フルフィルメントと360度サポートするメニューがさらに充実する。
ムトウ、通販支援サービス拡充、静岡・磐田の新物流拠点稼働
通信販売のムトウは、法人向けの通販支援サービスを拡充する。28日に磐田市で新しい物流センターを稼働し、出荷代行業務を拡大。インターネット通販サイトの構築支援では、同社子会社が大日本印刷と業務提携し、新規顧客の獲得を目指す。消費低迷で主力の個人向け通販が伸び悩むなか、通販支援サービスを強化して収益の安定につなげる。
新物流センターの延べ床面積は約2万7000平方メートル。出荷代行業務の需要拡大で、既存の浜松市の物流センターは手狭となった。今後、営業を強化し、現在約120社ある出荷代行業務の顧客を1・5倍に増やす。
大日本印刷と提携したのは、子会社のムトウマーケティングサポート(MMS)。大日本印刷が通販関連のコンサルティングを得意とする一方、MMSは決済システムの構築などネット通販の実務に強く、相乗効果が見込めると判断した。通販事業計画のコンサルからサイト構築まで、両社が一貫して支援する。
ムトウの2009年4~6月期連結売上高は、出荷代行業務など「ソリューション事業」が前年同期比2・5%増の15億400万円だが、主力の通販事業は5・7%減の132億7000万円。比較的堅調なソリューション事業を強化し、収益力を高める。
消費者が選ぶ通販「ブランド力」、トップは楽天、後を追うアマゾンも大幅な伸び
日経リサーチが「消費者が選ぶ通販会社ブランド力ランキングTOP10」を発表している。
本リサーチは、全国の消費者に測定した550社の中から、通販会社のみを抽出したブランド力(PQ)を元にスコアを算出。PQ(PerceptionQuotient)とは、測定企業550社の平均を500とした、「自分必要度」「独自性」「愛着度」「ブランドプレミアム」「推奨意向」の5つの項目からなるブランド力の偏差値のようなもの。
第1位に輝いたのは、ネット通販最大手の楽天。同社は今年2月に会員数が5000万人を突破するなど、ネット通販の牽引役として成長を続けている。日経リサーチでは、「経済状況の悪化により節約志向の消費者が外出を控える中で、手軽に利用でき、価格の比較が容易な点が消費者ニーズと合致したことも追い風となっている」と分析している。
通販会社の中で2位を獲得したアマゾンは、ブランド力(PQ)を構成する「自分必要度」「独自性」「愛着度」「ブランドプレミアム」「推奨意向」の5つの項目全てにおいて前年と比べ、5ポイント前後スコアを伸ばした。その結果、ブランド力(PQ)も41ポイント上昇し、【楽天】との差を縮めている。
そのほかの結果は下記の通り
・消費者が選ぶ通販会社ブランド力(PQ)ランキング
第1位 楽天 660(628)
第2位 アマゾンジャパン 629(588)
第3位 ジャパネットたかた 478(488)
第4位 千趣会(ベルメゾン) 442(447)
第5位 ニッセン 423(413)
第6位 アスクル 415(405)
第7位 一休 367(347)
第8位 カウネット 348(331)
第9位 ベルーナ 346(338)
第10位 シャルレ 328(319)
◆第1位はネット通販最大手の【楽天】
ネット通販最大手の【楽天】が通販会社の中で1位を獲得しました。
同社は今年2月に会員数が5000万人を突破するなど、ネット通販の牽引役として成長を続けています。特に昨今では、経済状況の悪化により節約志向の消費者が外出を控える中で、手軽に利用でき、価格の比較が容易な点が消費者ニーズと合致したことも追い風となっているようです。
まず、【楽天】のブランド力(PQ)を構成する項目をみてみると「自分必要度(自分にとって必要と感じるか)」や「愛着度(愛着を感じるか)」が特に高くなっています。実際に、【楽天】の強みは、サービスの使いやすさだけでなく、傘下にある旅行事業や証券会社など生活にまつわるサービスを幅広く提供していることがあげられます。更に、それらのサービスにおいて楽天スーパーポイントを共通して利用できるため、利便性が高く、生活者にとって欠かせない存在となっていることが推測されます。
調査結果でも、バリュードライバー(魅力点)をみると、「会員サービス・ポイントカード」を筆頭に、「ホームページのデザイン・使いやすさ」や商品・サービスについて「品揃え・ラインナップ」、「利便性・使いやすさ」が通販会社の中で最も高く評価されています。
◆【アマゾン】が躍進し、首位【楽天】との差を縮める
通販会社の中で2位を獲得した【アマゾン】は、ブランド力(PQ)を構成する「自分必要度」「独自性」「愛着度」「ブランドプレミアム」「推奨意向」の5つの項目全てにおいて前年と比べ、5ポイント前後スコアを伸ばしました。その結果、ブランド力(PQ)も41ポイント上昇し、【楽天】との差を縮めています。
【アマゾン】のコアイメージは「信頼性」で、品質に関するイメージ項目については楽天を大きく上回る評価を得ています。また、「革新的である」のイメージも高く、通販サービスの使い勝手の改善だけでなく、米アマゾン・ドットコムにて電子書籍の『キンドル』を発売するなど、新たな市場を開拓している面も評価されていることがうかがえます。
◆ジャパネットたかたのキーワードは「独自性」
【ジャパネットたかた】といえば、社長の独特なキャラクターやテレビを活用した独自の販売スタイルなどを思い浮かべるかもしれません。調査結果でも、ブランド力(PQ)を構成する項目をみると、通販会社の中で「独自性」が最も高く、他社との違いが消費者から認識されていることがわかります。
また、【ジャパネットたかた】のブランドイメージは「活気がある」や「明るい」「個性的」に加えて、「顧客ニーズへの対応に熱心である」や「経営者が優れている」などの項目が、通販会社の中では最も高くなっており、消費者が感じているこれらのイメージが【ジャパネットたかた】の独自性というキーワードにつながっているといえます。
2009年9月28日月曜日
ニッセン、ブログパーツサービス開始…商品を動画で紹介
「ニッセンブログチャンネル」は、「Myセールスマン」と呼ばれるセールススタッフが、利用者のブログ上で、同社の商品を動画で紹介するブログパーツ。好みのMyセールスマンを選び、自分のブログに貼り付け、「番組を見る」ボタンをクリックすると、テレビショッピングのような動画が始まり、ニッセンの一押し商品を紹介する。
動画を見た人はそのままECサイト「ニッセンのオンラインショップ」に進み、商品を購入することが可能。また、ブログのページビュー、クリック数、同社への注文によって、全国のMyセールスマンの営業成績(ブログポイント)を競い、上位のブログは「上位ブログ紹介ページ」にリンク表示される。全国ランキングは毎日更新する。
アフィリエイトサービス「リンクシェア」のアカウント保持者は、アフィリエイトとして楽しむこともできる。
■「ニッセンブログチャンネル」(http://www.nissen.co.jp/campaign/2009year/blog/index.htm)
2009年9月25日金曜日
ベルーナ、8月売上高は26%減…カタログ事業は増減なし
詳細をみると、衣料品・家庭用品・身の回り・趣味用品などのカタログ事業は増減なし。単品通販事業は同17・5%減、A・F事業は同38・9%減、BOT事業は同3・1%増、プロパティ事業は同91・4%減、その他事業は同13・7%減。
カタログ事業では、衣料品がエリアウェアやブラウス、メンズアパレルなどが前年を上回り同6・3%増。家庭用品は主力の家具が大幅減となったが、台所用品や生活用品は売り上げを大きく伸ばし同14・7%減。身の回り・趣味用品ではシューズやバッグ類が前年を上回り同6・7%増となった。
単品通販事業は、海外子会社2社の事業撤退に伴い売り上げがほぼ無くなった。リフレは前年を上回った。
千趣会がハーバー研究所とコラボ、コスメ商品をカタログ・ネットで発売
本品は、昨年9月に販売した「プラチナモイスチャーパワーローション」に続く、「プラチナモイスチャーパワー」シリーズの第2弾商品。ベルメゾンカタログのひとつ、コスメカタログ「コスメキューブ20号」(10月発行)での通信販売と、オンラインショッピング「ベルメゾンネット」で販売する。
「プラチナモイスチャーパワークレンジングミルク」はエイジングケアに対応した、拭き取り・洗い流し両用タイプのミルククレンジング。スクワラン、シアバター、ダマスクバラ花ロウなどの高級オイルで構成したオイルが、メイクと素早くなじみ、ポイントメークからベースメイクまでをしっかりと落とす。
また、エイジングケアにも着目し、プラチナ(白金)ナノコロイド、真珠エキス、コラーゲンなどの美容成分を配合。潤いを保ちながら肌トラブルを解消する。容量は110g、価格は2940円(税込)。
■「ベルメゾンネット」(http://www.bellemaison.jp)
2009年9月18日金曜日
ムトウ8月売上高、6・5%減の34億円
連結での売上高は34億9000万円で前年同月比6・5%減となり、2009年4月から5カ月連続の前年同月比減となった。
千趣会の「暮らす服」、ららぽーと新三郷に出店…関東で初
「暮らす服 ららぽーと新三郷店」では、ベルメゾンカタログ「私たちの暮らす服」の世界観をそのままに表現し、顧客からの要望が多かったメンズウエアの品ぞろえも充実。休日にファミリーでショッピングを楽しめることに重点を置いた店作りとなっている。
同社は、関東地区初の店舗を注目度の高い好立地に出店することで、既存客だけでなく、新規顧客の取り入れも目指していく。売り場面積は、83・09坪。
カタログ「私たちの暮らす服」は、ベルメゾンのファッションジャンルの中で発行部数、売上金額ともにもっとも高い基幹カタログで、婦人アウター・インナー・服飾雑貨・子供服など、生活密着型商品を豊富なサイズで構成。 またショップ「暮らす服」は、すでに関西地区を中心に9店舗を展開している。
弁当のおかずに便利な容器、千趣会(ベルメゾン)(新製品)
弁当作りに役立つ「冷凍おかずサポーターズ 和えものカップセット」。
おかずを入れるカップ(4個)と、そのカップを収納する容器(1個)のセット。いずれもシリコーン素材で、冷凍保存のほかオーブンや電子レンジでの加熱にも対応。カップに入れて冷凍しておいたおかずをカップごと加熱し、そのまま弁当に入れられる。カップ収納容器(15センチ×13センチ×高さ5センチ)を弁当箱(おかず入れ)代わりに使っても。価格は1260円。
発売元は千趣会((電)0120・100018)。
オールアバウト、アスクルに業務コラム提供
情報サイト運営のオールアバウトは、オフィス用品通販のアスクルが運営するビジネス情報サイト向けに記事などの提供を始めた。オールアバウトのサイトに掲載している労務管理などに関するコラムや質疑を転載する。アスクルはサイトのアクセス数拡大、オールアバウトは法人からの認知度向上を目指す。
オールアバウトがコラムを他社に提供するのは初めて。提供先サイトは「アスクルお仕事サポート」で、初回は他者との話し方についてのコラム1本を掲載する。今後は月に2本ほどコラムと、関連する質問と回答を載せる予定だ。仕事の悩みを抱える企業関係者の利用を見込む。
アスクルのサイトは主に中小企業の総務部門向けに、航空券検索など20以上のコンテンツをそろえる。今後は必要な専門家を探す機能を追加し、専門家と企業のマッチングを進める見通しだ。
ディノス「コンシェルジュ」導入、カタログ通販服選び助言、電話・メールで疑問回答
電話・メールで疑問に回答
ディノスは24日、カタログ通販の顧客に服選びの助言をする「コンシェルジュ」サービスを始める。カタログの写真では伝わりづらい生地の質感や色、サイズなどの問い合わせに、専門のオペレーターが電話とメールで答える。商品の特徴を購入前に正確に伝え、返品やトラブルを減らす狙い。きめ細かいサービスを生かして常連客の獲得にもつなげる。
高級衣料品を扱うカタログ「ダーマ・コレクション」でコンシェルジュを設ける。衣料品販売経験者を中心に、新たな採用者を含む8人が東京・中野のディノス本社で電話対応する。通販会社はコールセンターで問い合わせに応じる場合が多く、相談専門の窓口を設けるのは珍しい。
オペレーターは、カタログに掲載した服を手元に用意して問い合わせに対応するほか、利用者の身長や年齢、手持ちの洋服などを尋ねて服選びの助言もする。顧客から問い合わせがなくても顧客の好みに合う商品を薦めることも検討する。
利用は無料だが、返品などが減ればサービスの費用に見合う効果があると判断した。コートやジャケットなど伸びない素材の衣料品はカタログだけで十分な説明ができず、サイズが合わないなどの理由で返品されることがあったという。
同社は「どの程度の利用があるかは未知数」と説明しているが、商品の返品率の推移や利用者へのアンケートを参考に、他のカタログでもコンシェルジュを取り入れることも検討する。
「ダーマ・コレクション」の発行部数は約50万部。主要顧客は40~50歳代の女性。国内ブランドの隆盛期やバブル期に盛んに服を買った世代で、今でも衣料品の消費意欲が高めだ。他のカタログの顧客と比べても「服の素材にこだわる人が多い」(天利美智代編集長)という。
ディノスはコンシェルジュサービスをカタログ誌面とウェブサイトで告知。衣料品に関心がありながら今まで買っていなかった読者の需要も掘り起こす。
ムトウ、看護師向け通販参入、サイト刷新「お薦め」提示も
【浜松】通信販売のムトウは10月から、販売促進策を大幅に強化する。通販サイトで顧客の購入履歴を基にお薦め商品を提示するほか、購入者の感想を載せ商品選びの参考にしてもらい販売機会の拡大につなげる。今年度は販促強化に3億5000万円を投じる。看護師向け通販事業にも参入して顧客層を拡大し、3~4年後をめどに連結売上高1000億円を目指す。
10月に社名を「スクロール」に変更するのに合わせ販促策を拡充する。ネット通販では購入履歴から関連商品などを表示。服の着心地などの感想も募り、商品紹介のページに掲載する。実際に触れないネット通販の弱点を補う。
品ぞろえでは、文化女子大学服装学部とブーツを共同開発。学生がデザインしたブーツを1足2990円の低価格で販売する。大手下着メーカー、トリンプとの共同企画商品も投入。生協の顧客向けには「社名変更セール」のチラシを1750万部配布する。
看護師向け通販にも参入する。エンジェリーベP&N(P&N、横浜市)から看護師向け通販事業「PURE NURSE(ピュアナース)」を取得することでこのほど基本合意した。P&Nは看護師向け通販で業界4位。2009年5月期の売上高は7億6700万円。ムトウはブランド名ピュアナースと顧客50万人を引き継ぐ。
販促強化などで2009年3月期の連結売上高599億円を数年後には1000億円台に乗せる考えだ。
調達先もCO2排出削減、アスクル、500社調査、まず保管・配送、共同で目標設定
アスクルは、商品の調達先を巻き込んで二酸化炭素(CO2)排出量などの環境負荷低減に乗り出す。10月から500社超の協力を得て商品の保管・配送方法などの調査を始める。2011年5月期からCO2排出削減に向け商品配送方法などを共同で見直す方針。中期的には調達段階のCO2排出削減目標も策定し、調達先と連携した削減を進める。
アスクルはオフィス用品通販の最大手で、コピー用紙や筆記具、照明など通常カタログだけで約3万点、インターネット限定の商品を含め約4万点を扱う。CO2排出量などの削減に向け、商品を供給する全企業に調査に協力してもらう。
具体的には、個々の商品の倉庫内の保管場所や出荷する拠点、配送方法などを調べ、「見える化」する。11年5月期以降、アスクルの物流センターに商品が配送されるまでのデータをふまえ、改善策を練る。物流子会社のノウハウを生かしながら調達先と連携し、配送ルートの効率化などに取り組む。
また調達段階のCO2排出量全体の把握にも取り組み、データを対外的に公開する方針。
そのうえでどの商品が削減可能かについてメーカーと商品開発の協力もする。まずプライベートブランド(PB)が対象になる見通し。中期的には集まった商品のCO2排出量などの環境負荷データを基に、仕入れ先や商品の選定基準に環境負荷の項目を加え、新しい基準を作り直す。
流通業を手がける企業が、取引先と連携し環境負荷の把握や公開に踏み切るのは珍しい。
アスクルは今年からCO2排出削減の目標を、自社の事業所と配送段階とで設定。事業所は08年5月期比で12年5月期に30%削減(売上高原単位)などの目標を掲げた。現時点でカタログで扱う調達段階のCO2は非開示だが、同様に目標を策定し全体での削減に生かす方針だ。
2009年9月17日木曜日
セシール、秋冬向け機能性肌着、価格抑えサイズ豊富――ユニクロなどに対抗
セシールは吸湿発熱性に優れた高機能素材を使った秋冬用の肌着を発売した=写真は八分袖のTシャツ。価格を990円からと低く抑え、サイズもSから5Lまでと幅広くそろえた。機能性肌着が好調なユニクロや、同様の商品をプライベートブランド(PB)で投入したイオンなどに対抗する。
商品名は「スマートヒート」。Tシャツや8分袖のシャツなど23品目をそろえる。
汗など人の皮膚から出る水分を吸収し、熱を発生させる特殊な生地を使用した。繊維と繊維の間に50マイクロ(100万分の1)メートルのすき間をつくり、そこに空気をためて保温性を確保している。
他社製品よりもサイズを幅広くそろえたほか、女性向けの製品は肩部分にブラジャーのひもを留める部分を付け、ブラをずれにくくする工夫も加えた。
高機能素材を使った商品では、ユニクロが昨年、発熱保温肌着「ヒートテック」を発売。1000~1500円の手ごろな値段で人気を集めた。今年もイオンやユニーなどがPBで同種の商品を扱っている。
6~8月、アスクル純利益19%増、粗利率高い商品伸びる
アスクルが16日発表した2009年6~8月期連結決算は、純利益が前年同期比19%増の11億円だった。企業の経費節減を受け、オフィス向け通販の売り上げが減少したが、飲料や日用雑貨などコピー用紙などと比べて粗利率の高い商品の比率が上昇。販売管理費も抑制し、増益を確保した。
売上高は2%減の454億円。通販利用者数は増えたが、1回あたりの注文額が減少した。主力のコピー用紙や事務用品の販売が減った一方で、新型インフルエンザの流行を受け、マスクなど衛生用品が伸びた。
経常利益は28%増の22億円だった。原油高の影響でコピー用紙などの仕入れ価格が上昇した前期と比べ採算が改善。粗利率は24・4%と前年同期より1・5ポイント上昇した。販売管理費は人件費や外注費が増えたが、物流費、販売促進費が減少した。
アスクル、ごみゼロ配送を東京23区などで開始
アスクルは、再利用可能なリターナブルバック(通い袋)や折りたたみコンテナ(通い箱)で商品を届け、同社が回収して再び商品配送に使用する循環型ごみゼロ配送「ECO-TURN配送」を、東京23区などからネット注文する顧客を対象に始めるる。
ECO-TURN配送は同社のインターネットショップに登録した東京23区の全顧客と、横浜、川崎市の一部企業を対象に始める。梱包材を再利用することで、顧客の廃棄物削減と同社の梱包材の使用総量を削減する。
2009年9月16日水曜日
ファンケル、健康院――サプリ、個人に合わせ提供(戦略拠点あすを拓く)
ファンケルは東京・銀座に健康診断をもとに生活改善を指導する「ファンケル健康院」を開業した。自社の栄養補助食品(サプリメント)を健康状態に合わせて提供するのが売り物で、健康食品事業との相乗効果を見込む。料金設定が高く、富裕者層をどれだけ呼び込めるかが成否を分ける。
健康院の取り組みはユニークだ。利用者にまず血液や遺伝子検査などを実施。詳細な健康状態を把握したうえで、薬剤師や管理栄養師の資格を持つカウンセラーが足りない栄養素を指摘。個人にあったサプリメントを提供し、将来の病気を防ぐための生活指導も徹底する。吉田英希事業推進室長は「1人1人にあった健康に関するサービスを提供できる」と自信をみせる。
血液検査といっても病院のように注射器で何本も血を抜く訳ではない。専用の器具で指の先に少しだけ血を出して回収する。遺伝子検査も口の粘膜に綿棒をあてるだけで済むなど検査方法は簡単。それでいて得られるデータは詳細だ。
例えば遺伝子検査から肥満になりやすいとか血が詰まりやすいといった情報も得られる。最大62の遺伝子を分析して、将来の病気のリスクを把握する。こうして得られた情報を基にダイエットや疲労回復等の基本プログラムや生活習慣病の改善を目指すコースなどを選んでもらう。
プログラムの目玉として、自社で市販するサプリメントを個人に合わせて提供する仕組みを導入した。2009年3月期のファンケルの栄養補助食品事業の売上高は約291億円で化粧品事業と並ぶ柱。特徴は約110種類のサプリメントをそろえ、消費者の悩みにきめ細かく応えられる点で、ここまで品ぞろえが豊富なメーカーは数少ない。その利点を最大限に生かすことを目指した。
現在は得られた情報を基にカウンセラーが110種類から朝昼晩に分けてそれぞれ数種類ずつ適切なサプリメントを選んでいるが、来年2月からは完全に利用者だけのサプリメントを作る提供する方針だ。数種類のサプリメントを一度に飲みにくいため、必要なサプリメントを混ぜたりして1粒か2粒程度に量を抑えて飲みやすくする。吉田氏は「ファンケルが培ったノウハウをフルに生かす」と意気込む。
ファンケルが栄養補助食品事業を始めたのが1994年。健康院の構想は当時社長だった創業者の池森賢二氏の頭の中に早くからあったという。サプリメントをいかに広めるか。「only you サプリメント」。その答えが完全オーダーメードのサプリメントだった。
理想を追求した分、入会金5万円、基本プログラムが39万8000円と高額になった。「3年後に黒字転換できるように腰をすえて取り組む」(成松義文社長)が、消費不振の逆風が吹く。ファンケルの本気がどこまで消費者に届くかに注目が集まる。
〈ファンケル健康院〉
▽開 設 2009年8月8日
▽所在地 東京都中央区銀座2-5-11
▽敷地面積 300平方メートル
▽ポイント
(1)血液や遺伝子検査で健康状態を詳細に分析
(2)カウンセラーが生活習慣の改善を指導
(3)サプリメントを健康状態に合わせて提供
MonotaRO、車メンテ用品をPBで価格安く
工具通販大手のMonotaRO(モノタロウ)は15日、プライベートブランド(PB)で自動車メンテナンス用品を発売したと発表した。自動車用コーティング剤「フラッシュリーα(アルファ)」など4種類で、自社通販サイトで販売する。いずれも他社製品より価格を4~6割程度に抑えたという。
フラッシュリーアルファは洗車後のぬれた車体に塗布して使う。特殊高分子ポリマーの皮膜ができ、光沢を保つほか、防サビや静電気防止の効果も見込める。容量200ミリリットルで、希望小売価格は298円。
このほか自動車下部のシャーシの塗装剤やエアコンフィルターなどを販売する。価格はシャーシ塗装剤で他社製品の5~6割、エアコンフィルターで同4割程度という。企業向け通販サイトのほか、10月下旬からは消費者向けサイトでも扱う予定だ。
閉鎖的業界で流通革命に再挑戦、医療メーカーを顧客の声で口説く、アスクル
アスクルは1990年代に巻き起こした文具流通革命に匹敵する難事業に着手した。
参入障壁が高い医療業界に切り込み、オフィス用品から専門商品まで販売する。
当初及び腰だった医療材料メーカーを顧客の声で突き動かし、取引を開始した。
約1600億円ある連結売上高のうち、今や約200億円を医療機関の購買が占める。(敬称略)
(日経情報ストラテジー 2007年4月号掲載)
プロジェクトの概要
アスクルがオフィス用品の次に狙う市場は、医療機関や飲食店といった専門商品を必要とする業界である。専門商品であっても、注文があればすぐに物流センターから配送して翌日までに届けるサービスを提供する。特に医療機関の中には既にアスクルからオフィス用品を購入しているところが多く、注射針などの専門商品まで販売できる顧客基盤が整っていた。
しかし、アスクルはサービス開始までに想像以上の苦労を強いられる。既にある物流システムに専門商品を載せて運べばいいといった考えは甘過ぎた。医療材料の主要メーカーはいずれも既存の販売店に気を遣い、アスクルとの取引に応じなかったからだ。これでは専門商品を仕入れられない。プロジェクトは一時、解散に追い込まれる。だが、水面下で交渉を続けたリーダーの発想の転換が実り、2004年1月に専門カタログの発行に漕ぎ着けた。
アスクルの使命は、顧客の声に従って、凝り固まった既存の流通システムを破壊し、ゼロから再構築することである。1990年代に文具業界に衝撃を与えたアスクルの流通革命は既存の販売店から反発を食らったが、顧客には絶大な支持を受けた。
だからこそ、93年に文具メーカーであるプラスの一事業部として産声を上げ、97年からは新会社アスクルとして文具流通を変えてきた同社は、2006年5月期に約1600億円を売り上げる企業にまで成長できた。アスクルの名は全国にとどろき、今では同社の通販カタログに商品を載せたいと手を挙げるメーカーが後を絶たない状況である。
もしもアスクルが別の業界でもう一度、文具の流通革命に匹敵する大事業を成功させることができたら、アスクルはさらなる成長を遂げることだろう。だがそこには、文具業界で体験した時と同じ厳しい試練が待ち受けている。既存の流通システムを守ろうとするメーカーや販売店の抵抗に立ち向かわなくてはならないからだ。それだけの覚悟を持っていなければ、新事業は必ず失敗する。
アスクルが2000年代に入り、文具業界の次に目を付けたのは医療業界だった。医療機関向けに、注射針や手術道具といった専門商品から、マスクやグローブなどの病院特有の消耗品までを幅広く販売しようというわけだ。
メーカーから取引を断られて、とん挫
現在メディカル&ケア事業部長を務める吉岡晃は2001年当時、これから自分が挑もうとする新事業が、自社が巻き起こした文具流通革命に相当するほどの難題であるとは認識していなかったはずである。創業当時のアスクルとは状況が全く異なっていたからだ。同社の最大の特徴である翌日配送のための物流システムや受発注システムは既に整っている。しかも、2001年時点で全国に約16万カ所ある医療機関のうち、35%が既にアスクルからオフィス用品を購入していた。つまり、顧客基盤もある。アスクルの認知度はメーカー、顧客ともに高い。カタログに載せる専門商品さえ新たに用意すれば、すぐに医療機関向けの新サービスを開始できると思えた。
しかし、吉岡の考えは甘過ぎた。2002年初めから医療材料メーカーを回り出すと、ことごとく取引を断られる。「アスクルと取引を始めれば、長年付き合いがある販売会社から猛反発を食らう」というのが、メーカー側の言い分だ。かつて文具業界がそうであったように、今回も既得権益を守ろうとする力がアスクルを跳ねのけようとする。
2001年に中途入社した吉岡は1990年代の産みの苦しみを経験しておらず、抵抗勢力のすさまじさを身を持って体験してはいなかった。吉岡は立ち行かなくなり、社長の岩田彰一郎から新事業検討チームの解散を宣告される。吉岡はわずか半年で別の部署に席を移すことになった。
あの時点で吉岡が医療材料の販売をあきらめていたら、メディカル&ケア事業部はアスクルに存在しなかったかもしれない。現在アスクルは医療機関から、オフィス用品と専門商品を合わせて200億円弱の売り上げを稼ぎ出している。
吉岡は自身の認識の甘さを反省し、医療業界に詳しい社外取締役の大石佳能子や、社内の反対を押し切ってアスクルの顧客企業規模を中堅・大企業まで拡大した執行役員の小河原茂に相談を持ち掛けたうえで、岩田に再挑戦を直談判した。認められたのはチーム解散から3カ月後だった。
そもそも吉岡は、2001年12月に発足した医療業界向けに新サービスを検討する3人のチームの1人だった。岩田は社内公募を実施し、新事業の立候補者を集めた。手を上げたのが吉岡で、これには周囲が驚いた。当時スタッフ部門にいた吉岡は2001年春に会計士の資格を取ったばかりで、会計のプロとしての活躍が期待されていた。吉岡の上司も「会計のキャリアを極めたらどうだ」と進言したが、吉岡は譲らなかった。岩田との面接に臨み、「机で数字と向き合う仕事もいいが、一度は現場で実力を試したい。30代前半の自分には最後のチャンス」と訴えた。岩田は、吉岡の数字を読む力と、現場を経験したいという熱意に賭けた。
吉岡が最初に目を付けた顧客は歯科だった。アスクルからオフィス用品を購入している医科・歯科に数千件規模のアンケートを実施すると、歯科の90%が「アスクルに医療材料を販売してほしい」と回答してきたからだ。医科も80%が同意見だったが、吉岡はより要望が高い歯科から始めた。医科と歯科は同じ医療機関でも必要な医療材料が異なるので、メーカーも違ってくる。
アスクルに対する医療機関の期待は大きかった。ある医者は半年分の納品書をすべて吉岡に見せてくれた。「病院の購買履歴を開示してくれた顧客の期待は裏切れない」。医療業界の素人である吉岡は、こうして専門カタログに掲載すべき商品をメーカー別にリストアップした。吉岡は合計100カ所以上の医療機関を回って声を集めまくった。
ここまでは順風満帆に思えたが、いざ歯科向けの医療材料メーカーを訪問すると、ほとんどが取引を拒否してきた。アスクルに賛同するメーカーがなかったわけではないが、「カタログ作成に必要な医療材料をそろえられる状態ではなかった」。
歯科で失敗した吉岡は、再挑戦のターゲットを医科に変えた。そのうえで、どこからならアスクルの強みを生かして医療業界に食い込めるかを10人の新チームで再確認した。吉岡は歯科での失敗を「既存流通と正面衝突する専門商品主体でいきなり始めようとしたこと」と自己分析した。しかも、注射針や歯の治療に使う詰め物を販売するには許認可がいる。アスクルには経験がない領域で商品知識は乏しく、メーカーとの取引実績もない。だから新参者は市場に出て戦う前に敗北した。
衝突避け、許認可商品に手を出さない
そうではなく、「オフィス用品に近い分野から始めよう」というのが吉岡の起死回生の一手だった。そしてもう一度、顧客アンケートや病院を回った時のメモに立ち戻った。確かに医療機関は医療材料の販売を求めている。ただし、アスクルからまず買いたいのは、どこから買っても大差がないマスクやグローブ、おむつといった消耗品や、カルテや収納ケースといったオフィス用品に近い商品である。ここにアスクルらしさを出せばいい。そうした商品は許認可が必要ないし、オフィス用品と一緒に配送できる。しかも既存の販売会社にしてみれば、消耗品は医療機器販売の「おまけ」に近い存在で利益の源泉ではない。消耗品に絞れば、正面衝突を避けられる。そこで、これらの商品だけを集めて作成したのが、2004年1月に出した専門カタログ「メディカル&ケア」である。
こうした専門カタログの登場を待ち望んでいたのは、アスクルと付き合いがあるオフィス用品メーカーだった。彼らも病院で使えそうな商品群を抱えながら、医療業界の参入障壁の高さの前に身動きを取れずにいた。そこにアスクルが参入すると聞きつけ、手を組みたいと名乗り出てくれた。
しかし、ようやくデビューしたメディカル&ケアのカタログ第1号は「うまくいかなかった。まだまだアスクルらしさに欠けた」。吉岡は、もう一度顧客の視点に戻ろうとチームに呼びかける。
医療機関がアスクルに期待するのは「適正価格と翌日配送」であることは間違いないが、必ずしもそれだけではなかった。多くの医療機関は「病院向けの商品は無機質でセンスが悪く、患者が喜んでくれるものは少ない」と、現状の商品に不満を持っていた。病院に行けば一目瞭然だが、どこもビニール素材のいすやスリッパが置かれて味気なく、患者への心遣いに欠けている。
だったら、少しでも患者にリラックスしてもらえるような商品を開発できないか。吉岡はそこに目を付けた。昔ながらの文具販売から出発したアスクルが、後にデザイナーと組んでオリジナル商品を開発してヒットを生んだのと同じことだ。そこならアスクルに地の利がある。賛同してくれるメーカーもいる。こうして生まれたのが病院でも使えるデザイン性の高いスリッパや家具、受付や待合室を演出する商品、子供に人気のかわいらしいお薬手帳などだ。これらに病院が飛びついた。
2004年9月に発行したカタログ第2号は注文数が前号の2倍になり、軌道に乗った。アスクルは新事業を3年で黒字転換させる社内ルールを持っているが、メディカル&ケアは2006年11月に単月黒字を達成している。
メディカル&ケアの立ち上げに成功した吉岡は2005年初めから、いよいよ文具革命に次ぐ医療材料革命に本格的に動き出した。歯科で辛酸をなめた吉岡だが、改めて医科向けの医療材料メーカーに出向いた。するとメーカーの反応の違いを如実に感じ取った。閉鎖的といわれる医療業界であっても、今度ばかりはアスクルを無視するわけにはいかなかったのだ。メディカル&ケアで一定の成果を上げたアスクルは医療業界から注目され、顧客も付いていたからである。まずは医療分野の周辺商品から始めて、外堀を埋めたのが奏功した。
すかさず吉岡はメーカー各社に、アスクルに寄せられる顧客アンケートをそのまま見せて、切実さを訴えた。そこには医療材料の取り扱いを望む声が、びっしりと書き込まれていた。こうなると医療材料メーカーも黙ってはいられない。ついにテルモやトップ(東京・足立)などのメーカーがアスクルに商品提供を約束してくれた。
既存の販売会社と組んで専門商品を開始
一方で吉岡は、大石から紹介された医療機器販売会社の1つで、北関東を地盤とする栗原医療器械店(群馬県太田市)と打ち合わせを繰り返していた。同社と「エージェント(販売店)」契約を結ぶためだ。
アスクルは既存の販売会社との全面戦争を望んではいない。文具業界に一石を投じたアスクルが最後には業界に受け入れられたのも、既存の販売会社と販売店契約を結び、顧客開拓と代金回収を彼らに任せたからだ。吉岡はこのビジネスモデルを医療業界にも持ち込み、理解を得ようとした。メーカーとの直接取引にこだわるアスクルがエージェント制を敷かなければ、既存の販売会社は「中抜き」される。これでは直接対決が避けられないが、エージェント制にすることで共存できる。
栗原の社長である梅澤悟は、アスクルが自分たちの敵ではないことを1年かけて確認し合い、「業界の先陣を切るのは障害も大きいが得るものも多い」と判断して、アスクルとの協業に踏み切った。
アスクルにとっても、医療材料を販売するには地域に密着した販売会社との連携は不可欠だ。許認可が必要な医療材料の販売網を築き上げるには、誰とでも手を組めるわけではない。栗原のような専門企業でなければ、パートナーになり得ない。悪用される恐れがある医療材料の場合、オフィス用品やメディカル&ケア商品のように、アスクルが自由にカタログを配布することさえできない。相手が医療機関である確認を1カ所ずつ取り付け、手渡しでカタログを配布していく。その時、医療機関からは専門的な質問も想定される。アスクルがそこまで自前で対応するのは事実上不可能だ。
アスクルは許認可が必要な医療材料の専用センターを作って受発注や配送に専念し、営業活動はエージェントに委託して「機能分業」を図った。こうして吉岡は2005年11月、医療材料の専門カタログ「メディカルプロ」を送り出した。2006年11月に発行した第2号では、主要メーカーがこぞってカタログに登場。エージェントも16社に増えた。メディカルプロは今後2年で黒字化を目指す。
社長の岩田は「どんな業界でも、顧客の声に従って前に進めば、取引先の扉が開いてくる。今回、専門商品に取り扱い品目を広げていくためのノウハウが蓄積できた。吉岡のような人材が当社の成長には不可欠だ」と振り返る。
2009年9月15日火曜日
コールセンター、福岡に拠点開設、ツーウェイシステム、2年で500人雇用へ
通信販売のコールセンター業務などを請け負うツーウェイシステム(大阪市、千田敏雄社長)は来月13日、福岡市でコールセンターを新設する。電話対応のオペレーターとして今後2年間に500人を雇用する計画という。センター新設を契機に九州の企業との取引を一層強化し、コールセンター業務の新たな受注を目指す。
コールセンターは同市中央区のオフィスビルに開設。フロア面積は約1350平方メートルで、電話対応のブースは約250席設ける。オペレーターはパートやアルバイトとしてまず約50人を雇用し順次増やす。
オペレーターを育成して顧客企業に派遣する業務も始める。
同社は東京、大阪、鳥取の3カ所にコールセンターを持ち、全国の通販会社など約100社と契約を結んでいる。九州の企業はこのうち3割程度を占めており、福岡営業所(福岡市)が営業を担当してきた。
同社は「九州は通販会社も多く成長分野として有望。コールセンター新設を契機に地域に合わせたきめ細かなサービスを強化し、需要を掘り起こしたい」としている。
ムトウ、看護師向け通販参入、横浜の企業から事業取得
ムトウは白衣や聴診器など看護師向けの通信販売に参入する。看護師向け通販事業のエンジェリーベP&N(P&N、横浜市)から同事業「PURE NURSE(ピュアナース)」を取得することで14日、基本合意した。取得額は明らかにしていないが、同事業の債務は引き継がないという。P&Nの顧客である看護師は70%が34歳以下の女性で、ムトウの中心顧客層と重なるため、相乗効果が期待できるという。
ムトウが基本合意したのは、P&Nと、その親会社でマタニティー用品販売のエンジェリーベ(横浜市)。看護師向けの通販市場は300億円といわれ、P&Nはその中で4位。2009年5月期の売上高は7億6700万円だった。
ムトウはブランド名ピュアナースと顧客50万人を引き継ぐ。事業売上高は現在の倍の15億円を目指す。インターネット通販などを拡充すれば売り上げが伸びると考えている。
10月初旬に事業譲渡契約を結ぶ予定で、現在はP&Nの従業員の扱いなど詳細を詰めている。
ムトウによると、不規則な勤務体系の影響で看護師には通販利用者が多いという。看護師の46%が通販を利用する一方、一般企業に勤める女性は14%にとどまる。看護師を新たな顧客に加えて衣料品や雑貨の売り上げ増も狙う。
ポーラ・オルビスHD、訪販一辺倒から転換、路面店苦戦、多角化道半ば
ブランドで巻き返し
ポーラ・オルビスホールディングス(HD、東京・品川)が主力事業の訪問販売一辺倒からの脱皮を目指している。2007年にブランドを増やす戦略に転換し、業務用の販路開拓にも本格的に取り組み、多角化を進めている。いずれも収益の柱に育つには時間がかかるが、外部の人材も起用し、構造改革を急ぐ。
同社が9月2日に発売した新ブランド「スリー」は原料に有機栽培の植物を採用した化粧品で、高級化粧品を中心に据えてきた商品と一線を画す戦略商品だ。同ブランドを手がける子会社、アクロ(東京・品川)の社長にはカネボウ化粧品時代にメーキャップ「RMK」を育成した石橋寧氏を起用した。07年には敏感肌向け「ディセンシア」を投入。ホテルやレジャー施設など向けのヘアケアや化粧品を開発し、業務用の販路も積極的に開拓に乗り出した。
同社が07年以降売り出した新ブランドは全部で4つ。ブランドを増やすのは、女性の社会進出に伴い女性の在宅率が大幅に低下し、訪販事業の先行きが険しいからだ。そこで従来型の訪販だけの路線を捨て、05年に訪販の新業態「ポーラ
ザ ビューティ(PB)」を開発した。これはエステと化粧品販売を組み合わせた路面店で、契約社員が顧客に声をかけて店に招く業態だ。
町田恒雄ポーラ取締役は「グループの新ブランドや販路への投資額がかさみ、PBによる訪販事業の立て直しが遅れている」と話し、店舗数は現在400店。08年末で500店としていた当初の計画よりも100店少ないが、PBの既存店売上高は前年比2ケタ増で、訪販事業の売上高(約1000億円)の2割程度を占めるようになった。
訪販大手ではノエビアはポーラ・オルビスHDと対照的に、訪販に固執する姿勢を見せ、今年に入って20億円を投じ顧客管理システムを構築するなど改革を加速する。ポーラ・オルビスHDはブランド、PBとも道半ばだが、両事業を両輪に巻き返しを急いでいる。
オールアバウト、専門家コラム、アスクルに提供、検索サイト向け
総合情報サイト運営のオールアバウトは14日、オフィス用品通販最大手アスクルのサイトに専門家コラムの提供を始めたと発表した。専門家への相談・依頼を仲介するサービス「オールアバウト
プロファイル」に登録する各専門家のコラムを無料で提供する。法人顧客の認知度を高め、専門家の活躍の場を広げる。
アスクルは航空券やホテル、貸会議室、清掃サービスまで幅広く探せる法人向け検索サイト「お仕事サポート」内に、読み物コーナー「仕事のツボ」を設ける。オールアバウトは「人事労務」や「業務効率改善」など、中小企業のニーズが高い分野のコラムと質問・回答を提供する。
法人顧客との接点を増やすことで「プロファイル」に登録する専門家が新たに仕事の依頼を受ける機会を増やす。アスクルは「お仕事サポート」のコンテンツの充実で、顧客満足の向上をはかる。
「プロファイル」には現在64職種823人の専門家が登録。オールアバウトは各専門家が執筆したコラム約4万3千本に加え、ユーザーから寄せられた質問2万件と専門家による回答5万5千件を蓄積している。
オールアバウトは2008年から、「プロファイル」に登録する専門家に寄せられた質問と回答をNTTレゾナントとヤフーに提供しているが、コラムの提供は今回が初めて。
2009年9月14日月曜日
ドクターシーラボ、公式メンズサイトを開設
スキンケア・化粧品販売の株式会社ドクターシーラボが、ドクターシーラボ公式メンズサイトを8月18日に開設した。
公式メンズサイトは、「ビジネススキンケア」をコンセプトに、「ビジネスシーン編」「デイリーケア編」「デート編」「脱メタボ編」など、シーンに沿ったビジネススキンケアをコラム的に紹介するサイト。
ビジネススキンケアの情報だけではなく、仕事のモチベーションを高める情報や、恋愛テクニックに関する情報の提供も行なう。
また、6種類のアイテムのサンプルを試すことができる「無料サンプルセット」の提供も行なう。
2009年9月12日土曜日
サイト構築や業務一元処理、通販向け管理ソフト、エルテックス、11月発売
電子商取引(EC)の業務支援を手掛けるエルテックス(横浜市、犬飼邦夫社長)はインターネット通信販売事業者向けの管理ソフトを開発した。通販サイトの構築や、購入者の住所や氏名といった通販利用者の情報管理、商品発送など複数の業務を1つのソフトで一元処理できるようにした。従来は業務ごとに対応ソフトが必要で、初期費用や運用コストがかさむ難点があった。
開発したソフトは「Xspeecs(クロススピークス)」で、通販用システム構築のムトウマーケティングサポート(浜松市、堀田守社長)と共同開発した。発売は11月を予定する。
通販サイトで提供する商品の検索やサイト会員の管理、商品の在庫や受発注、決済管理機能を備えた。ヤフーや楽天など大手通販サイトとの連携機能も用意した。
ソフトの導入支援など関連サービス全体で初年度に約5億円の売上高を目指す。
冷夏、商戦も「雨」——ビアガーデン・衣料品を直撃(四国リポート)
梅雨明けが大幅にずれ込み、日照時間が低下したことを受け、今年の四国4県の7〜8月夏商戦は厳しいものとなった。ビアガーデンや百貨店の売上高は前年同期比で減少が相次ぎ、電力需要も落ち込んだ。エコポイント制度の効果で一部家電商品の販売は好調だったものの、個人消費は全般的に「雨」だったようだ。冷夏の現場を歩いた。
「7月は毎週のように書き入れ時の金曜日に雨が降った」と嘆くのは、全日空ホテルクレメント高松のビアガーデン担当者。天候の不順が響き、7月の売上高は前年に比べ半減になった。「8月に利用客は回復したが、7月の落ち込みを引きずる形で売り上げは伸び悩んだ」という。
客席数500席と四国最大級のビアガーデンを持つ高松天満屋でも「降雨と冷夏の影響を一番影響を受けたのはビアガーデン」と話す。7〜8月の客数、売上高ともに前年同期に比べ1割減となった。
高松天満屋は本体の物販も低迷。紫外線対策の化粧品の売り上げなども影響を受けたほか、夏物衣料も1割以上減少したという。いよてつ高島屋(松山市)も「今年の夏は水着、浴衣が不振だった」と振り返る。
四国経済産業局がまとめた7月の百貨店の販売状況によると、衣料品の売上高は13・2%減の86億5000万円。同局は「消費マインドの低迷に加え、天候不順が大きく影響した」と分析する。特に「利用客が多く訪れる土日に天候不順が重なったのが響いた」と話す。夏物衣料のバーゲンをしても、客1人当たりの購入する商品点数も減少傾向にあるという。
夏が書き入れ時の清涼飲料。四国コカ・コーラボトリングは1〜6月の四国での販売数量が減少しており、7〜8月も厳しい状況が続くと見られる。清涼飲料の不振は全国的なもので、飲料市場調査の飲料総研(東京・新宿)によると、全国の飲料出荷は7月が前年同月比6%減、8月が5%減だった。
●電力も不振
電力も落ち込む。四国電力の7月電力販売状況によると、事務所ビルや商業施設などの「業務用電力」の販売量は7・6%減の6億4400万キロワット時となった。省エネによる冷房の気温引き上げなどの効果もあると見られるが、「7月の気温が低めに推移したことで、冷房需要が減少した」と同社は分析している。
家電販売は政府の経済対策の効果もあり、好調な量販店もあった。四国で「ケーズデンキ」を展開するビッグ・エス(高松市)によると、季節商品のエアコンは数量は伸び悩んだが、エコポイントの導入で単価の高い上位機種の売り上げは堅調だったという。同様の効果で液晶テレビや冷蔵庫が好調だったほか、新型インフルエンザの影響で空気清浄機の売り上げも良かったという。
冷夏を嘆くだけでなく、新手の販売戦略を打ち出し消費喚起に動いたのが通信販売大手のセシール。天候不順で夏物衣料の売り上げは不振だったが、7月から8月末にかけ異例の秋冬物のセールをインターネット通販で実施。通常は秋に実施するが、長引く梅雨など気候の変化を見て判断した。
同社としては初めての取り組みだったが、「見込んでいた販売額の倍近くの売り上げを確保した」という。
ムトウ、通販販促策を強化、購入履歴からお薦め提示
通信販売のムトウは10月から、販売促進策を大幅に強化する。インターネットの通販サイトで顧客の購入履歴を基にお薦め商品を提示するほか、購入者の感想を載せて商品選びの参考にしてもらい販売機会の拡大につなげる。今年度は販促強化に3億5000万円を投じ、3〜4年後をめどに連結売上高1000億円を目指す。
10月に社名を「スクロール」に変更するのに合わせ販促策を拡充する。ネット通販では購入履歴から関連商品などを表示し、販売増を狙う。購入者から服の着心地などの感想を募集し、商品紹介のページに掲載。実際に見たり触ったりできないネット通販の弱点を補う。
品ぞろえの面では、文化女子大学服装学部とブーツを共同開発。学生がデザインしたブーツを1足2990円の低価格で販売する。大手下着メーカー、トリンプとの共同企画商品も投入。生協の顧客向けには「社名変更セール」のチラシを1750万部配布する。
プロバスケットボールbjリーグの「浜松・東三河フェニックス」とスポンサー契約を結び、ユニホームの胸に「スクロール」のロゴを入れて、新社名をPRする。テレビやラジオCMのほか、遠州鉄道やJR東海道線の車内に広告を出す。
M&A(合併・買収)も積極的に検討する。2009年3月期の連結売上高599億円を数年後には1000億円台に乗せる考えだ。
東京23区でアスクル、配送の箱・袋再利用—梱包材、年1200トン削減
オフィス用品通販最大手のアスクルは、東京23区でネット注文をする企業すべてを対象に、再使用可能な袋や箱を使ったエコ配送を実施する。段ボールなどの梱包材を年間1200トン削減し、二酸化炭素(CO2)排出量で年700トンの削減効果を見込む。将来は全国の当日配送が可能なエリアに広げる方針。
不織布の通い袋や折り畳みコンテナの通い箱を使う「ECO—TURN(エコターン)配送」の対象を、現在の一部企業での試行から拡大。14日からネットで受注し当日配送する23区の全企業を原則エコターン配送に切り替える。通い袋は11倍の55万枚に増やす。
オフィス用品の配送には段ボールや紙袋、緩衝材などを多く使う。こうした包装材は開封後に廃棄される例が多い。同社の2009年5月期の資材使用量は8548トン。エコターンの対象企業を広げ、資材使用量を約14%減らす計画。資材使用量の削減でコストとCO2排出量を同時に減らす狙いだ。
前期、ドクターシーラボ純利益45%増
ドクターシーラボが11日発表した2009年7月期連結決算は、純利益が前の期比45%増の30億円だった。主力のスキンケア化粧品「アクアコラーゲンゲル」や新商品の美白美容液が、主力販路の通信販売で伸長した。売上原価が上昇、積極的な販売促進策で費用も増えたが、販売増の効果が大きかった。
売上高は20%増の258億円だった。コラーゲンゲル関連商品が12%増え、美容液や日焼け止めの機能をうたったファンデーションなど新商品も好調だった。通信販売はポイント制度の刷新で継続利用者が増え、34%増だった。一方で、百貨店は1%減、海外も台湾や米国の不振で減収となった。経常利益は41%増の53億円だった。
10年7月期は通信販売の新規会員を増やし、売上高を前期比17%増の302億円と見込む。広告宣伝費を大幅に増やすが、人件費や販促費を抑え、純利益は12%増の34億円の見通し。
2009年9月11日金曜日
ファンケル、タイを撤退
化粧品販売のファンケルはタイ市場から撤退する。8月中旬にバンコク中心部の大型ショッピングセンター「サイアムパラゴン」内にある旗艦店を閉鎖したのに続き、10月末までにバンコク市内の百貨店やスーパーにある残り8店舗を順次閉鎖する。地元紙などによると、タイ撤退はファンケル本社の方針によるものという。
ファンケルは8月25日に、中国で同社製品を扱う販売代理店と資本提携すると発表した。今後、中国市場の開拓を海外展開の柱とする考えで、アジア地域内の投資戦略を見直すとみられる。
2009年9月10日木曜日
雑誌・漫画、自在に拡大縮小、携帯、8割以上で可能に——ヤッパがソフト
iPhone向け改良
ソフト開発のヤッパ(東京・渋谷、伊藤正裕社長)は携帯電話で出版物の誌面を滑らかに表示できる閲覧ソフトを開発した。米アップルのiPhone向けに提供した現行ソフトを端末の仕様や性能に合わせて改良。日本で現在使われる8〜9割の携帯に対応可能という。提携先に広く今回のソフトを供給し、携帯電話向け電子出版サービスの本格普及につなげる。
iPhone向けソフトは小さい画面でも雑誌やマンガの誌面全体を精巧に表示したり、表示倍率を滑らかに変えたりできる使い勝手の良さに定評がある。
電通が近く始める雑誌配信サービス「マガストア」や手塚治虫プロダクションによるマンガ配信、千趣会(ベルメゾン)が通販顧客に提供するカタログ配信などで採用済み。ヤッパ以外の電子出版向け閲覧ソフトはマンガを1コマごとに表示するなど誌面をそのまま閲覧できないものが大半だ。
ヤッパは今回、一般的な携帯電話でも使えるようにプログラムのメモリー管理などを改良。メモリーが少ない機種では最低でも閲覧中のページ全体のデータを蓄積できるようページ当たりの情報量を間引く。メモリー容量の増加にあわせて前後のページなど蓄積するページを増やす。ページをめくった時にネット経由でデータを読み出す。
拡大縮小機能については、各ページを倍率の異なる最大21枚の画像で構成しており、幾つかの画像を間引いても従来に近い拡大縮小機能を実現したという。
ソフトは端末の仕様や性能に応じて複数用意。タッチパネルを搭載していない端末は「十字キー」などでページめくりなどの操作をする。これらの工夫で主要携帯電話3社の第3世代(3G)端末の大半で動作可能にした。例えばNTTドコモの場合、2004年発売の「901i」シリーズ以降に対応。普及ベースでの対応端末は全体の8〜9割に上るという。
ヤッパは電通など協業先へのソフト提供を年内に始める予定。その後、各社の電子出版サービスが順次、登場する見通しだ。
セシール、エコポイントで生活用品を交換
セシールは9日、同社の生活用品38品目が11日からエコポイントの交換対象商品になったと発表した。省エネ家電などを購入した際に発行されるエコポイントを使って、セシールが販売する遮光カーテンや鍋、ポットなどと交換することが可能になる。同社ではホームページ上に専用ページを設けて、エコポイント交換商品をPRする。
国のエコポイント事務局のホームページか書面の申請書で交換の申し込みができる。交換に必要なポイントは遮光カーテンで5890〜8190点となる。
2009年9月8日火曜日
セシール、8月売上高10%減…夏カタログの不調が原因
8月の売上高は34億9100万円で前年同期比10・1%減。件数は同10・0%減、単価は同0・1%減だった。秋冬カタログが堅調に推移したが、天候不順により、夏カタログの受注が伸び悩んだ。
品目別の売上高を見ると、アウターウェアが9億7000万円で同19・3%減、うち婦人外着は7億2200万円で同16・0%減、紳士・子供外着は2億4700万円で同27・6%減。インナーウェアは8億2900万円で同7・3%減、うち婦人下着類は6億8000万円で同2・6%減、紳士・子供下着類は1億4900万円で同24・0%減。レッグニットは1億3600万円で同17・6%減。ファッショングッズなどは3億3100万円で0・6%減、ライフグッズは9億3800万円で同4・6%減、うち寝装・インテリアは4億9000万円で同14・5%減、生活・趣味用品などは4億4700万円で9・0%増となった。
千趣会(ベルメゾン)、秋冬物、低価格でテコ入れ、家具など1割値下げ、衣料では990円Tシャツ
カタログ通販最大手の千趣会は今年の秋冬物で低価格戦略を進める。今月中旬に発行する家具やインテリアのカタログでは販売価格を前年に比べて1割引き下げる。衣料品も990円のコットンTシャツをそろえるなど値ごろ感のある商品を増やす。2009年12月期の通販事業の売上高は前期比6%減になりそう。低価格品を増やして販売をてこ入れする。
インテリア関連の冬号のカタログでは、机やソファ、カーテンなど全7400点の平均販売価格を1割下げた。全体の2割程度は「お買い得商品」として、たとえば和式布団セットを7990円で販売する。このほか全体の1割程度は「特に品質と価格に挑戦した商品」として、たとえばソファベッドを6990円で売る。2点以上の購入でさらに1割値引きするなどの施策もとる。
このほど発刊した衣料品カタログ「暮らす服」の秋冬号では「暮らす品質」と名付けた特集を約40ページ掲載。オレンジやチャコールなど10色から選べるタートルネックのニット(1990円)や、重ね着風のレギンス(990円)を販売する。紙カタログとほぼ同じ商品を掲載するインターネット通販でも同様の値下げを実施する。
千趣会の09年12月期通期の連結営業利益は11億円と前の期に比べて54%の減益になる見込み。カタログ通販2位のニッセンホールディングスも8月中旬に発行したカタログで、婦人服やインテリアなど全9500点の販売価格を前年比1割引き下げるなど、低価格志向への対応を急いでいる。
2009年9月7日月曜日
ニッセン、8月のネット経由売上が前年比1.6%減
総合通販大手のニッセンホールディングスが、平成21年12月期8月度の業績概況を発表した。
通販事業(株式会社ニッセン)の単体売上高は前年同月比10.7%減となり、前月好調であったインターネット経由の売上高も同1.6%減と減少。
インターネット経由の売上は、6月以外は2桁成長を達成しているが、8月は、6月の1.7%減に続き、月別で2回目の前年比割れ。同社のネット経由の売上に関しては、前期が前々期と比較すると平均で20%近く増収していたこともあり、伸びの鈍化が顕著になった。
また、顧客1人当たりの顧客単価に関しても、8月は消費者の購買行動の変化や、昨年に比べカタログ発行部数を大幅に絞り込んだ影響や、在庫処分セール拡大などで、大幅に下落している。
2009年9月4日金曜日
STEILARC.K.M、佐々木氏迎える(社長交代)
ジャスダック上場の通信販売のSTEILAR
C.K.Mは3日、東証2部上場の樹脂機械製造会社、フリージア・マクロスの佐々木ベジ会長(53)が同日付で社長に就任したと発表した。橋本勝司社長(58)は退任し取締役になる。
複数の企業再建を手掛けてきた佐々木氏のもとで経営再建を目指す。第三者割当増資を同日付で実施、佐々木氏に同社発行済み株式の51%を割り当てた。
佐々木 ベジ氏(ささき・べじ)74年(昭49年)秋川高卒。フリージア・マクロス社長などを経て01年同社会長。東京都出身。
2009年9月3日木曜日
セシール、ネット販売、低価格ブランド、若者向け17品目
セシールは、若者向けの新ブランド「ANITA
ARENBERG」を立ち上げた。20〜30代の女性を対象にしたブランドで、ジャケットやバッグ、靴など17品目をそろえる。価格は1990〜4980円と低価格にし、若者向けに最大18色をそろえた。個人消費が冷え込む中で、低価格帯のブランドを投入し、顧客開拓につなげる。
新ブランドはインターネット通販などを手掛けるスタイルアンドシステム(大阪市)と企画。インターネットのみで販売する。商品の価格帯を低く抑えると同時に、少なくとも1カ月に1回は新商品を投入し、消費者を飽きさせないようにするという。
今年の夏商戦、各社厳しく 秋冬の立ち上がり状況も「やや苦戦」

2009年9月 3日 15:31特集企画
通販各社の夏商戦は厳しい結果となった。本紙の聞き取り調査によると、主要な通販企業の夏商戦は前年同期比で減収。昨年来の不景気による個人消費の低迷が夏商戦を直撃。各社が強化している値引きによる価格訴求などが一定の効果を見せているものの、売り上げの目減り分をカバーできなかったようだ。またこのほど始まった秋冬商戦の立ち上がりの状況も各社、苦戦を強いられている模様だ。主な通販各社の夏商戦の結果と秋冬商戦の立ち上がり状況を見てみる。
不況で幕を開けた今年も9月に入り、折り返しを迎えつつある。「不景気は底が見えた」との見方もあるものの、本紙の聞き取り調査によれば、通販各社にとっては、まだまだ厳しい状況が続いているようだ。主な通販各社の夏商戦の結果を見ていく。
各社とも厳しい夏商戦の結果
千趣会の夏商戦は「カタログ事業売上高は前年上期比で7.1%減」と苦戦を強いられた。減収の理由については「個人消費の低迷や消費者の低価格商品(ニトリやユニクロなど)へのシフト」とする。また、夏カタログの発行部数を昨夏号よりも、156万部削減したことなども影響したようだ。商品ではプリントTシャツなどはヒット商品となった反面、ニットや軽衣料、スカートなどが伸び悩んだ模様。
ニッセンも6、7、8月と単月売上高ベースで前年同月を下回るなど夏商戦は苦戦。購買動向の変化に対応するためのカタログ発行数の絞り込みや梅雨の長期化など天候不順が影響。また、夏号および盛夏号で在庫処分セールを拡大したことで平均購入単価が大幅に下落。前年を下回って推移した模様だ。
セシールは「(夏商戦は)前年に比べて減少した」と回答。苦戦を強いられた要因についてはニッセンと同じく「天候不順は理由の一つ」とする。
ディノスも夏商戦については「第1四半期(4―6月)はテレビ通販は平日午前枠を中心に増収だったが、カタログ通販は減収で全体の通販売上高は減収」として、芳しくなかったとする。アパレルは「チュニックや麻がらみのニット・ブラウスが好調」だったが、リビング系では「クール寝具以外は全般的に伸びていない」と苦戦した。
ムトウは「全体で前年比数%のマイナス」とする。理由については「低価格商品が中心に売れたことで、オーダー単価のダウンにつながった」とする。また「ネットを中心に早期にマークダウン販売を実施したことの影響もあった」ようだ。
ベルーナは「9―10%減」。1,000―2,000円ゾーンの低価格商品の動きは良かったようだが、消費低迷に加え、カタログ発行部数を昨夏号よりも10%程度、削減したことが影響したようだ。
フェリシモは夏商戦の売上高については回答を避けたが、「当社商品は生活に密着したものだが、生活必需品ではなく、比較的景気に左右されにくいと考えていたが、消費者の買い控えの影響は受けていると思う」とコメント。前年度からの課題である顧客数の伸び悩みを払拭できず、やはり苦戦した模様。
イマージュは夏商戦の結果について詳細は不明だが「まずまず」とする。
ピーチ・ジョンは各社が減収の中、「(昨年と)同じ程度」とコメント。これは軽衣料やルームウエア系が全般的に好調だったことに加えて、「そうした商品群への商品構成シフトが功を奏した」とする。
生活協同組合連合会は「予算比では3.5%増だが、前年度比では5.4%減」とする。媒体減が減収要因だが、「商品企画の精度があがり、チラシの表紙や裏表紙での取りこぼしが抑えられた」ことが予算達成の要因だと分析する。商品では冷感タイプ寝具や価格を下げた値ごろ感のあるブラジャーなどが良く動いたようだ。
百貨店系では三越が「大幅なマイナス」と回答。これは商品センターの移転でセールカタログの発行が従来の6月下旬から7月下旬にずらしたためとする。大丸ホームショッピングは「2%程度の減収」。婦人服の減少が目立つとする。
秋冬の立ち上がりの状況は?
以上が主な通販実施企業の夏商戦の結果。振るわなかった夏商戦を終え、各社とも秋冬商戦で巻き返しを図りたいところだが、出足は別表の通り、芳しくないようだ。
千趣会の秋冬号の立ち上がりは苦戦している模様。「カタログ事業の年間予想の中で下期業績は前年同期比4.5%減と見込んでいるが、厳しい状況」とする。なお、秋号の発行部数は昨年度比で600万部削減予定。発行時期は昨年と同じ。
ディノスは「家具・寝具インテリアなどのリビング系はやや弱含み」。美容健康系は「好調」。ファッション系は「一部企画を除くと横ばいから、やや増」。リビング系の苦戦は「景況悪化に伴う住宅着工件数の下落もあるのでは」とする。なお、秋号の発行部数はリビング系では基幹カタログ「ディノスリビング」では前年比3%増、「ハウススタイリング」は同19%増に。カタログ事業全体としては「ほぼ前年並み」。発行時期の変更はない。
ムトウは「初動値はほぼ前年並み」。秋号は発行時期に大きな変更はないが、発行部数、ページ数ともに縮小。ベルーナは「発刊して10日だが前年並み」。値ごろ感のある買いやすい商品が売れているようだ。カタログ配布部数は前年比で「2―3%減」。イマージュは「まずまずだが客単価が落ち気味」としており、売り上げは同2―3%減程度で推移していると見られる。発行部数は「秋からネットにシフトし、約1割減」とする。ピーチ・ジョンは「苦戦中」。アウターやニットなど「地厚物の動きが弱い」とする。
ニッセン、セシール、フェリシモの秋の出足や売れ筋傾向などは「カタログ送付が始まったばかり」や「非回答」として不明。ただ、ニッセンは秋冬号のカタログ発行数を絞り込んだことや、単価のダウンなどで「昨年より(秋冬の)売上高が減少する」と見込んでいる。発行時期は昨年と変更はない。セシールは主要カタログの発行部数は前年比で10%増とする計画で巻き返しを図る。
下期へ向けての各社の戦略は?
秋冬の出足が芳しくない状況の中、下期はどのような販促策を描くのか。即効性のある価格訴求を強化する方向だ。
「価格訴求を行うにあたって、取引先に協力を要請しながら、原価率の改善に取り組む」(千趣会)、「ネット活用やテレビショッピングなどのメディアミックス。クーポン企画などのキャンペーンの実施」(ディノス)、「10月の社名変更に併せて各種販促キャンペーン」(ムトウ)、「カタログでも低価格商品を拡充」(ベルーナ)など、下期の拡販策の中心は各社とも価格訴求がメーンとなりそうだ。
不況でも売れる商品は?値ごろ感プラス着こなし提案
夏商戦および秋冬の立ち上がり状況は各社とも厳しい状況だ。とは言え、すべての商品が売れないということではなく、不況下でも好調に売り上げを伸ばす商品はある。それは「どんなもの」なのだろうか――。基本的には各社が積極的に実施する「値下げ」など価格訴求型商品が各社とも売れ行きがよい。ただ、価格訴求だけでは、消費者は動きにくく、そこに季節性や機能性、着こなしでの訴求などを加えた商品の動きが良いようだ。
例えば、千趣会の秋号の立ち上がりで動きが良い商品はファッション関連では「薄手タートル」(=写真)や「ポケッタブルダウンベスト」など。薄手タートルは秋の定番と言えるが、重ね着に着膨れない"薄手"という部分がポイントで「新たな需要喚起ができた」という。また、ポケッタブルダウンベストは「価格競争ではなく、薄手でポケッタブルになるダウンベストというユニークさで勝負した商品」でいずれも売れ筋商品となっている。同社では「価格訴求だけではなく、機能性や着こなしなどで訴求できているものが売れている」としている。
夏商戦で動きは良かった商品はファッション系では「プリントTシャツ」や「クロップドパンツ」「七部袖ブラウス」など。プリントTシャツは特に好調でカタログ「暮らす服」で販売するTシャツとしては過去最高の70万枚を販売する予定。クロップドパンツも昨秋から展開していたが、「20代女性が気にする度合いの高い腰や股のハリを気にせずにはけるクロップドを展開した」ことで好調に推移した。
ディノスの夏商戦で動きが良かったのはファッション系では「チュニック」が相変わらず好調。「麻がらみのニット・ブラウス」なども好調だったようだ。また、季節商品として「レインコート」「レインブーツ」が売り上げを伸ばした。また、シューズの動きが良く中でも「レザー素材のヒールものはヒールスニーカー、ヒールサンダルとも好調だった」という。
トレンドに敏感なネットではどうか。スタートトゥデイでは秋物の動きとしてレディースではブーツやパンプス、アクセサリー、ストールなどの小物類の動きが良いようだ。特に「ブーツはシュートブーツ、ロングブーツともに価格の高低に関わらず、全体的に好調」という。メンズでは「クロップドパンツ」などのパンツ類が好調に推移している。
価格訴求をしつつも、そこにいかに別の訴求を付加できるか。これが各社の明暗を分けそうだ。
2009年9月2日水曜日
ニッセンHD、8月売上10・7%減…ネット経由もマイナス
売上高は前年同期比10・7%減、うち前月は好調だったインターネット経由売上高が同1・6%減とマイナスに転じた。購入客数は同1・2%減、うち新規客数は同4・8%減。1客当たりの購入単価は9・9%の大幅減。
一般消費者の防衛意識の高まりに起因した、購買動向変化やカタログ用紙などの各種コストアップ要因に対応すべく、前年よりカタログ発行冊数を大幅に絞り込んだことに加え、夏号と盛夏号の在庫処分セールの拡大により、購入客数が前年比で微減に留まったものの1客当たりの購入単価が大幅に下落した。
セシール、ネット限定の新ファッションブランドを発売
「ANITA ARENBERG」のブランドコンセプトは「セレブリティ・カジュアル」。通販でのファストファッションを実現するために、「脱安物、脱ベーシック、定番商品の排除、昨年の売れ筋商品を追わない」を追求し、今の流行を安く提供していく。
ターゲットは、20歳代から30歳代の女性で、商品はネットのみで販売。発売時は、アパレルを中心に、バッグやパンプスなどの服飾雑貨を含む17アイテムで構成し、バッグ18色、パンプス15色と豊富なカラーを取りそろえている。
一例として、中綿ライダースジャケットは2990円、フラワーモチーフバレーパンプスは1980円、サイドギャザー入りショルダーバッグは2980円(全て税込)。今後随時、新しい商品を投入していく予定。
千趣会、スガシカオの海外・凱旋公演を主催…会員限定で先行予約
「JAPAN-UK150」は、昨年8月に日本と英国が外交関係樹立150周年を迎えたことを記念し、英国内で開かれている日英両政府後援のイベント。
「スガ シカオ JAPAN-UKサーキット」は、日本の文化の一つとして、スガ シカオの音楽を英国に紹介する、同社企画・制作のライヴ・ツアーで、 12月7日のロンドン公演後、12月14日に東京のZepp東京、同18日に大阪のZepp大阪で凱旋公演が行われる。
東京・大阪公演はともに5250円(税込)。ロンドン公演は、同社子会社で旅行サービス業の千趣会ゼネラルサービスが、50人限定で日本からの「ロンドン公演 鑑賞ツアー6日間の旅」を企画、9月1日から会員限定で募集受付を開始している。価格は18万8000円。