2009年8月10日月曜日

宅配便——ヤマト首位、成長は鈍化(点検シェア攻防本社調査)

2009/08/10, , 日経産業新聞

 国内宅配便(日本郵政の「ゆうパック」を含むトラック輸送)の2008年度の取扱個数は前年度比0・6%減の31億7749万個だった。国土交通省が統計を取り始めた1984年度以降、取扱個数が前年を下回るのは初めて。冷蔵品の宅配サービスなど様々な新サービスを展開して右肩上がりで成長してきたが、景気低迷で法人を中心に利用が低迷し、成長にブレーキがかかった。各社は独自サービスの充実で顧客の確保を図る。
 業者別にみると最大手のヤマト運輸の「宅急便」が前年までと同様にシェア首位を維持した。取扱個数は前年比0・3%減の12億3053万個で1976年のサービス開始以来、初めて前年を下回った。景気低迷で法人間の荷物が減ったのが大きな要因。3位の「ペリカン便」の日本通運(前年比2・5%減の3億2786万個)など、多くの会社で取扱個数を前年より減らした。
 目を引くのが2位の佐川急便。取扱個数は約10億6110万個と前年を1・1%上回り、ヤマト運輸との差を縮めた。通信販売業者など法人向けの営業を積極化。通販市場は自宅で買い物をすませる人が増え、市場規模は08年度は推定8兆円強と、コンビニエンスストアや百貨店を上回ったもよう。新規の顧客を取り込んだ成果が出た。
 09年度も景気低迷が長引けば市場全体の縮小が続く可能性がある。ヤマト運輸を傘下に持つ持ち株会社ヤマトホールディングス(HD)は、東京などで通販業者向けに注文から最短4時間で商品を届けるサービスを始める。佐川急便は法人向けに中身の見えにくい箱を使った機密書類の廃棄サービスを本格展開するなど、独自性の高いサービスで需要を開拓する。
 3位の日通と4位の日本郵政グループの郵便事業会社は宅配便事業を統合、10月に新会社「JPエクスプレス」が本格稼働する。単純合計でシェアは2割程度と、上位2社に迫る水準。宅配便業界はヤマト、佐川、JPの3強体制に突入して今秋以降、3社のサービス競争が激しくなるとみられる。中小業者の間では淘汰・再編などが一段と進む可能性もある。